2013年6月7日金曜日

藤本氏の記事について(CBRとVBRの比較)

【藤本健のDigital Audio Laboratory】
第553回:iTunesのVBRとCBR、どちらの音が良い? -AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/20130603_602002.html

この記事内にある2つのファイル。
ここでは128kbpsを見てみたけど、一方がCBRでもう一方がVBRとある。

しかしqaacを使って記事中のoriginal.wavを自前エンコしたものと
比較すると、どうも記事の中ではABRとVBRを比較したようにしか思えない。

再生中にPotPlayerでビットレート表示された値をグラフ化
ファイルは128kbpsのものを比較


VBR同士の比較は程度の差こそあれほぼ同じ動き。
これはOK。

しかし問題のCBR。
CBRはターゲットビットレートに対してほぼ横ばいで正解なのだ。
だけどこの、藤本氏が「CBR」としてエンコードしたものが、時間差はあれ
qaacでエンコしたABRとよく似た動きをしている。
最後のフェードアウト部分なんか、他のVBRやABRとほぼ同じグラフを
描いている。

違うと思うんだけどなあ。
CBRじゃないと思うんだけどなあ、これ。

それ以前にこのクラムボンの人も同じ認識でいるとしたら、CBRを
使っていないにもかかわらずCBRが音が良いと断言していることに
なってしまうが・・・。

iTunesは使ってないからなんともいえないけど、どういう仕組みに
なってるんでしょうかね。
真のCBRではエンコードしないようになってるとか。実は。

ともあれ、この記事も結局どっちの音がいいかわかりまへんという
オチなので、自分もこの謎はわかりまへんなままほっとく。

***

それはさておき、気になる点。

通常VBRというのはABRに比べてビットレートの振れ幅が大きい
イメージがあるけども、今回のソースではどういうわけかVBRのほうが
天井に張り付いたまま動きが少なく、一方ABR(&藤本氏の「CBR」)の
ほうが比較的上下に動いている。

単純な話、ビットレートの大きさ≒音質と考えるならば、この場合、
上下せずずっと高いビットレートを維持しているVBRのほうが音質は
よさそうに思える。

グラフを見る限り、藤本氏の「CBR」のビットレートがVBRのものを
上回ることがほぼ無かったこと、さらにVBRと「CBR」のファイルサイズ差
(約13KB)をかんがみると、VBRはCBRに対して約13秒間、8kbps程度
上回っていた寸法になる。

ならば、理論的にはこの勝負VBRにあったのではないかと思うのだけど
いかがなものでしょう。
ツイッターとかブログとか見てるとVBRのほうが音が悪いという方も
ちらほらいるようだけど。


【結論】
可聴域14000Hzの耳にはどうでもいいレベルだからみんな好きなほうを
使って幸せになればそれでいいと思う。
1万5000円のUSBケーブルやら九州電力の電気がいいやらなんやら
ナントカ還元水でCDを洗ったり1日3回東北東に向かって巻き寿司を
食べると音が良くなるとかいうもんにくらべたらずっとお金はかかるまい。