2018年4月9日月曜日

EF35-135mm F4-5.6 USM

【総評】
1990年登場。
同時期の100-300mmUSMや後発の28-105mmUSMと異なりDLO非対応。
見捨てられた子なので人気はない。
W端が35mm換算56mmであるのも不人気の理由だが、数字上では単純に28-105mmの
焦点距離をテレ側に1.25〜1.3倍シフトしただけである。
ポジティブに捉えるなら24mmはじまりであらわすところのおよそ2倍から9倍までを
カバーする制限付きの便利ズームともいえるので対象があいまいになりがちな
広角なんか必要ないという自分みたいな偏屈なユーザーには投げ売りで入手できて
ただただありがたい話。

上述の通りDLO非対応だが数百ショット撮った感触では大きく問題になるような
色ズレやフリンジはなく自分の中では悪くない評価。
ただいかんせん重いので長時間のスナップにもって行きづらい。

なお中古相場ではせいぜい1000~2000円。
おなじく中古数千円で手に入るDLO非対応世代のキスデジやKDNと
組み合わせるとおもちゃがわりにワンセット出来上がり。
雨の日は持ち出しづらいな、でも持って行きたいなという場合に
捨て駒扱いではないがアタラサーしないでガンガン連れて行ける
強い味方となる。


■ワイド端

比較的素直ななりで開放から使える。
カリカリな画質ではないが決してボケちゃいない。
開放F4はわずかに周辺減光が見られるが気にならないレベル。
18-55mmキットレンズに慣れてると近距離の被写界深度が意外と
シビアに感じられるかもしれない。
絞ってもシャープネスは見た目変わらないので被写界深度で調整。
やや明暗がはっきりしすぎるきらいがあるのでお好みで暗部を
いくらか持ち上げてあげると自然な仕上がりになるかと。
明暗ならコントラストいじればいんじゃねっていうのも至極
まっとうな話だが、こいつの場合もともと線がおとなし目な
画なのでやはりシャドウをいじったほうがいいように見える。
まあ個人の好みだけど。

EF35-105mm F3.5-4.5でも触れたが、この35mmという焦点距離は
APS-Cにするとなかなか見た景色の印象に近い画角になっており
街中のスナップに最適に感じる。
風景の切り取りであっても、何を見てるのかさっぱりわからない
ような画でなく、必然的に、強制的になにかしらに合わせないと
フレームとして成り立たなくさせるためレンズに引っ張っていって
もらえる感じ。
この点で言えば明暗はそのまま使っても割といいかも。

撮り比べは手持ちISOオート。
bloggerでは横1600にリサイズされるので拡大はできないが
F4と5.6の左下にテントウムシがいるのがちゃんと識別できるかと。

35mm F4 1/640 ISO100


35mm F5.6 1/250 ISO100


35mm F8 1/125 ISO100



■テレ端

開放は非常にボケボケ。
ただ変なボケ方ではないため縮小前提とかL判ならまあOKなレベル。
絞れば絞るほど画質が際限なく上がっていく感じで、定石通り
二段絞ってやっと落ち着く感じ。
ただF8くらいでもちょいシャープかませば最低限いける感じというか
常用ISO範囲的にSSがついてこないのでそこんとこでまあまあ妥協する
使い方がいいはず。
VAやIPSならともかく、TFTならさほど見た目違いないレベルだろう。
またコンデジ(W端24mm)換算でちょうど9倍になるため、がんばれば
トリミング前提で小さい園庭程度のでの運動会くらいはそこそこいけるんじゃ
ないかしら。運動場だともう一息欲しいけど。
世代が世代なので、ピントが合ってない部分にコントラストが
大きいものが映り込むと盛大にフリンジになるかと思いきや、テレ端が
さほど無理してないのか思ったほどでてない感じ。
DLO非対応なのでこんくらいで踏みとどまって正解。

以下撮り比べ。

135mm F5.6 1/320 ISO100


135mm F8 1/200 ISO125


135mm F11 1/200 ISO250


別サンプル等倍切り出し。
まるで被写界深度比較のようにさえ見えるのであえて書くと
フォーカスポイントはお花めがけて中央一点。

135mm F5.6 1/250 ISO400


135mm F8 1/160 ISO400


135mm F11 1/80 ISO400


135mm F5.6 1/320 ISO100 シャドウめいっぱい下げ。あえてシャープ無効。



■AFについて

距離表示窓は以下の通り。数値は大体。
3mから端まで回転する角度はおよそ10度程度、1mから3mの間も
20度程度と、目の前の実用レンジおよび以降で広く動くものについて
いずれも時計の0時から1時までの間の角度におさまる。
M - 1m 1cm
1m - 3m 1cm
3m - ∞ 0.5cm


■フードについて

多分に漏れず絶版のためフードは58mmメタルつけっぱ。
さらに高さ35mm・φ62mmとの二段重ね(55-250mmSTMでやってる)で
やっとワイド短で四隅がちょいケラれる具合。
もしかすると高さ20mmのものならギリ二段重ねでもいけるかもしれないが
せっかくのコンパクトが台無しになるのでそんくらいでいいだろう。


その他バリエーションはこっちでまとめた。

ステップダウンリングと似非フジツボフードのすすめ
http://mu-san.blogspot.jp/2018/04/blog-post_28.html


■取り回し感

比べる相手が悪いがEF35-105mm F3.5-4.5に比べるとコンパクト。
使いにくい直進ズームでもなく近距離のAFもサクサク。
ただプラマウント・プラボディのキットレンズに比べると
コーヒーロング缶1本分重いのでお気軽感は劣る。