2015年7月2日木曜日

iTunesとWMPどちらがよいか問題

携帯プレーヤーなりスマホなりで音楽を楽しむ際、一番お手軽に
CDを取り込むにゃ普段お使いのプレーヤーでちゃちゃっとやるに
越したことはない。

一昔前はCDexが幅を利かせてたもんだけど今じゃ別途ダウンロード
してまでそんなこたぁしたくない。
今でもきっとマニアな人たちは何かめんどくさそうなものを
お使いになっているのだろうけど、こちとらライトユーザーなんで
正直興味ない。

というわけでメジャーな2つで音質と使い勝手を比較。
使用したのはるろ剣のサントラCDに入ってたTMRのEDテーマ曲。


■192kbps

・おまけのMP3比較

両者共通してメイン以外のおまけでついてくるフォーマットがMP3。
まずはここから比較。

iTunes MP3 192kbps CBRステレオ


WMP MP3 192kbps CBRジョイントステレオ


(上からiTunes、WMP、ソースのWAVE)


iTunesではプリセットの「高音質」を使用。
WMPではカスタム設定は見当たらない。

どちらも実質16kHz程度までの音を保持。
若干iTunesのエンコーダがより高音域の情報を持ってる。
ビットレートが十分であれば、ジョイントステレオ設定でも
位相感が落ちることは通常ないなのでそこはあまり気にしなくて
いいはず。

(参考)LAME 192kbps CBRステレオ


iTunesで使用しているエンコーダはLAMEとは設計思想を異にするようで、
高音域をやたら残したがっている。
個人的には可聴域を超える音はおまけ程度かそれ未満としか考えてないので
なくてもいいんじゃないかなとは思うけど。

ともあれPCやスマホでWMAやAACが当たり前に対応普及してるご時世なので、
愛用の旧い携帯オーディオプレーヤーが対応してないなど特別な理由が
なければあえてMP3にこだわる必要はない。
逆にAACにこだわる必要もないけど。


・メインフォーマット比較

WMP推しのWMAとiTunes推しのAACで比較。

iTunes AAC 192kbps


WMP WMA 192kbps


(上からAAC、WMA、ソースのWAVE)


iTunesはデフォルトでVBR設定にチェックが入っていたのでそのまま。
WMPにはWMA10(WMA Pro)が搭載されているも、再生互換性が心もとないため
WMA9.2で取り込み。

音質面ではどちらも周波数帯域はMP3を軽々と上回っており、AACのほうが
WMAに比べて若干上限がより高い。

ちなみにどちらもひどいクリッピングは発生していなかった。
ソースにもよるのだろうけど、ひとまず192kbpsではどっちも安心して
使っていいはず。

とまあ、ここまで目立った大差がないのは面白く無いので二回戦。


■128kbps

じゃあ一昔前主流だったこのサイズならどうでしょう。
あえてビットレートを下げてクリッピングの発生具合を見てみる。

ここではソースも変えてWhiteberryの夏祭り。
音質には関係ないけどWMPのCDDB、曲名表記が雑すぎて萎える。




・MP3

(上がiTunes、下がWMP)


iTunesが盛大にクリッピングを発生させている。
これはビットレート盛っても改善しないのでiTunesでは
MP3は避けたほうがいいかも。
まあ、みんなAACしか使わないだろうから何も問題ないではある。
iTunes MP3 192kbps



・AACとWMA

(上がAAC、下がWMA)


今度はWMAでクリッピング祭り。
ただし192kbpsまで上げるとだいぶマシになるのでWMAでは128kは
避けたほうがよさそう。
WMP WMA 192kbps



■まとめ

・安牌目にエンコするならiTunesではAAC、WMPではWMA。
・曲情報はiTunesが正確。

というわけでiTunesでAACに変換するのがまあ安牌。
AACだとビットレートも128kbpsまで下げても全然OK。
一方

サブカルぶった野郎どもが好きなリンゴマークにゃ反吐が出る

という、90年代から変わらず根っからのアンチアップルなみなさんは
Windows標準のWMPでWMA192kbpsあたりを指定して変換するとよろしいんじゃ
ないかしら。
さいごに

ディスカウントショップで1980円で購入した、MP3しか再生できない中華プレーヤー

をご愛用のノンポリなみなさんは、これまたWMPでMP3に変換するといいんじゃ
ないでしょうかね。
音質も大してこだわりないでしょうから128kbpsでもOK。

2015年6月30日火曜日

AAC、OPUS、MP3の音質比較

何番煎じかわからない波形から見てみるテスト。
おまけでTips。
テストに使用した曲はiTunesで250円のSB69な曲。
AmazonMP3といいiTunesといい、DL購入曲って盛大に
クリッピングしてて萎える。

(余談)
これはエンコ時に波形が振れるためで、CD仕様にコンプかけまくった
音源をそのまま圧縮かけるとたいていこのように割れる。
エンコ時に数%程度全体のボリュームを下げるといい感じに収まる。


■32kbps

・MP3(LAME)
アプリによって時間表示が微妙なABRやVBRは好みじゃないのでCBR。
音質はまあ、言わずもがな。20世紀の技術。


・AAC(FhG) HE-AACv2
今は(実質的に)なき者となったWinampについてきたエンコーダ。
中身はMP3のIISエンコーダでおなじみの独フラウンホーファ製。
VBRはないこともないが使い勝手が悪すぎるため、ないものと考えていい。


およそ17kHzまで保持。
ちなみにFhGとNeroのHE-AAC・HE-AACv2ではSoXで48kHzに
アップサンプリングして使用している。
44.1kHzだと原音部分が1kHz程度少なくなってしまうことから、
音質が悪くなってしまうケースがままあるため。

FhGの音質は後出のNeroと比べると安定感は今ひとつで、高音が目立つ
ソースではNeroに比べ高音域がより歪む傾向にある。
サンプリングレートを48kHzから下げてみてもしっくりくる値は
このビットレートではなかった。

・AAC(Nero) HE-AACv2
たぶんニコ動アップ用などで最も多く使われているであろうAACエンコーダ。
標準のABR1パスエンコードを使用。


こちらは少し伸びて18kHzまで保持。
FhGより多少安定感のある音質であり、Xrecode IIやx264guiExなど
フロントエンド環境も充実してるので安牌切るならこっち。

また、スマホなどの小さなスピーカーでは問題なく利用可能。
平井堅の「告白」やコモリタミノル三部作(aikoの「あした」とか)では
定位がおかしくなるが、ヘッドホンや大きなスピーカーで聞くような音質でも
ないので特に問題はない。

(余談)
HE-AACv2が高圧縮を実現できる理由に「モノラル化」をあげて説明する
記述がちらほらあるけど、厳密には「モノラル化」する技術自体は
MP3の時代からあり※、AACでも素のAAC部分に実装されている。
※「和差ステレオ」ってやつ。この技術は遡るとFMステレオ放送まで行き着く

じゃあ実際は何がミソなのって話になるのだけど、これがちと難しい。
ざっくり言えば左右の音の違いを差分音データで持つのではなく、
左右の音の波形を比較し、波の形の違いを数値化したもの(位相差)でもって
保持することでステレオに復元するためのデータ量を削減している。

要するにデータでステレオを実現するのではなく、計算でステレオを
実現するって発想がキモ。
だからparametric(パラメータの)ステレオという所以。

(ちなみに)
Nero2パスのアルゴリズムは「ここで削っちゃダメだろ」てとこでビットレートを
下げたり無音部分で節約しなかったりと色々おばかちんなので非推奨。
攻めたいなら2パスでなくVBR(Q値指定)を使用したほうがいい。
同じビットレートではVBRのほうが虫食いが少なく良音質。
特にハイハット・シンバルの歪みが明確に改善するのがわかる。

ただし低いQ値指定(HE-AACなど)すると素のAAC部分とSBR部分の境界が
少し開いた虫食いのような形になるのでおすすめしない。
その場合はおとなしくABR指定でいい。


・AAC(qaac Apple) HE-AAC
AppleさんはHE-AACv2非搭載。
しかしこのビットレートではなかなか善戦している方とは思う。
ただ注意点があって、このエンコーダはビットレート不足を起こすと
パニックに陥るのか音飛び(実際には軽いミュート?)が発生する。
CBRではブチブチになるも、ABRでは結構回避できる。
が、限界を超えると盛大に無音状態になるのでやっぱり低ビットレートでは
おすすめしない。
まあ、素直にv2使ったほうが全然いいよねって話に過ぎないんだけど。


・Opus
AAC-LCやHE-AACより高音質というフレコミのオープンなフォーマット。
ただしHE-AACv2には太刀打ちできないのでこのビットレートでは
MP3よりマシな程度でチャンネルもモノラルになってる模様。
むしろqaacのほうがよほどいいので、「HE-AACを上回ってる」とは
いつもいつでもそう言えるとは限らないと個人的には思う。

※追記:プレーヤーによって正しく再生できないぽい。
のちにきれいに聞けることが判明。



グラフを見る限りは高い音まで含まれているようであるも、
実際は可聴域に満たない程度。
また、高域の補完情報も不自然な階段状になっており微妙。

(上がOpus、下がNero)



■64kbps

・MP3(LAME)
はいはい前世紀前世紀。


・AAC(FhG) HE-AAC


上限周波数は22kHzにタッチ。
ハイカットの概念が乏しいこのエンコーダ、裏目に出ると音質が非常に
悪くなってしまい、GetWild'89のようなハイハットが目立つ、
シャカシャカしたソースでは高音が異常に歪む。

これを回避するにはディテールを犠牲にして32kHzでエンコしたほうが
より安定感のある音質に仕上がる。
が、やはりトータルの音質も下がるのでこれといって積極的に使う理由が
まったく見当たらない。

・AAC(Nero) HE-AAC


32kbpsと変わらないというか一見まったく同じグラフ。
割り切ればヘッドホンで聞くにも十分な音質。
後述のqaac48kHz問題、ゲットワイルド問題を鑑みると、このビットレートでも
こっちがだいぶ安定して使えるのではと考えてはいる。

・AAC(qaac Apple) HE-AAC
世間様で定評があり、実際Neroよりも高音域が安定してるqaac。
が、このqaac。Neroとは逆に48kHzが苦手らしく、このビットレートでは
音質がすこぶるよろしくない。

(44.1kHz)


(48kHz)


グラフを見ると44.1kHzのほうは上限が20kHzであるのに対し、
48kHzのほうは落ち込みながらも22kHzまで引っ張っている。
ひょっとしたら、この可聴域外の2kHzに注力した結果、可聴域の
音質がおざなりになってしまったのかもしれない。
ともあれ映像ソースでない限り44.1kHzがよい。

またどういうわけかTMNの「Get Wild '89」がカオス。
まず17秒前後の「ドーン!」音の広がりに段階ができてしまい不自然。
30秒頃から入る太めのスネアが大の苦手でひどいノイズまみれ。
1分前後のシンセストリングスはブツと切れるようになり、以後シュワシュワ
した音が続き1分10秒台のゲゲゲサンプリングが鳴っている部分で最高潮に
ノイジーな感じになってしまっていた。
ちなみにNeroでは概ね問題なかった。

以上のことから、qaacのHE-AACは「おまけ」程度と考えており、
常用するには不向きな印象。

・Opus
相変わらず不思議な形状のグラフを呈するOpus。
おそらくここでは16kHz以降に適当な倍音成分とノイズを付加して
聴き心地をよくしようとしてるのだろう。



ともあれパテントに守られたHE-AACと対等に渡り合ってるのは
素晴らしい…と思ったがその底力はそんなもんではなく
64kbpsでは唯一、ソースの原音(下図矢印部分、13kHz付近の帯)を
ほのかながら保持している優秀さが光る。
実用域で言えばOpusは文句なくHE-AACを上回っている。


(Neroが入ってないのは単純にめんどくさかっただけ)


■128kbps
ここらで音質差がかなり小さくなる。

・MP3(LAME)


16kHzまで保持。
多くのソースでは必要十分の音質。
が、高音シャリシャリソースではアラが目立つ。

Get Wild '89冒頭 上がLAME、下がFhG


・AAC(FhG) AAC-LC


こちらも潔く16kHzでローパス。

・AAC(Nero) AAC-LC


こっちはちょっと高くて17kHz。
まあ、有意な差はない。

・AAC(qaac Apple) AAC-LC


ちょっとおまけして17kHzあまり。
これ見る限りでは「qaac最高!」という評価の理由は見当たらない。

・Opus


唯一128kbpsで20kHz到達。
どうせまたテキトーなんだろうと思いきや、カンブリア宮殿でおなじみ
サトリアーニの「Crowd Chant」冒頭のクラップがシャンシャンでなくきちんと
パラパラ音がする。
厳密には可聴音というよりは「耳の真ん中で感覚的に感じる」程度のものなので
多分あと5年10年すれば聞こえなくなるだろうし聞こえなくなっても困らないので
別にこだわるところでは全然ないのだけども。

ちなみにこのあたりの音はAACが苦手とする※ところで、けっこうビットレート盛っても
なかなか出ず、一方LAMEだと192kbpsあたりからほのかに聞こえ始め256kbpsあたりで
けっこうまともになるのだけど、こっちでは128kbpsでもそのニュアンスが出てる。
ともあれ2010年代の技術は伊達じゃなかった。

※追記:AACというより後述のFFMPEGが苦手としてる可能性あり

ちなみにOpusXrecode IIをフロントエンドにして使用可能。
コマンドいじるのが苦手な人はそっち使うがよろし。
フロントエンドって何ですかという人は一切忘れるがよろし。


■まとめ

最後にエンコ殺しのCrowd Chantももってきて一挙比較してみる。
ソースのMP3はVBR・約240kbps、それぞれすべて128kbpsで変換。



FhGとNeroで矢印の部分に比較的大きな虫食いがあり、音情報が欠けてる。
一方LAMEとqaacは比較的まんべんなく情報を保持しているが五十歩百歩。
で、件のOpusがあほみたいに一番下のソースと張り合っている。

以上も含め、ここで比較した128kbpsまでのビットレートでの用途でまとめると

・NeroはFhGより安定
・qaacはNeroより僅かに高音質、が時に不安定
・ソースによってはLAMEはAAC-LCと張り合うが、高音の目立つ曲はお手上げ
・Opusは頭ひとつ飛び抜けている

ということが言える。
ビットレート別に音質で順位づけするなら

128k Opus > AAC群 > LAME
64k Opus > Nero > qaac
32k Nero > FhG

となる。
まあ、もうひと息ビットレート盛りゃ何使っても大差ないんだけどね。

160kbps 上から順にnero、qaac、opus


とりあえず今回FhGの存在意義を見出すことはできなかったので
今後使うことは一切あるまい。


■10/20追記
FFMPEG3.0で向上したとされるAACエンコーダ。
実際使ってみたところそれほどでもない上「原音にあるはずのない音」が
存在するので現時点でおすすめしない。

下図は3.1.4でエンコードしたもの。



■'17/9/1追記
また、128kで音がシャキッとしない、クリアさが足らん感じがするので
見てみた所一音一音がなんかぼやけた感じになっていた。
特に黄色の枠で囲ったとこがわかりやすい。

(上がFFMPEGAAC128k、下がソースのMP2 224k)


試しにビットレート盛ってみたがあまり効果がない様子。

(上がAAC160k、下がソース)


で、このときOpus 128kはどうなってるかというとこんな感じ。

(さてどっちがソースでしょう)


もしffmpegやHandbrake、その他フリーの変換ツールを使う場合で
音質にこだわるならばAACでなくあえてMP3の256~320kbpsという
選択肢はアリと思う。(定評のあるLAME相当のもののはずなので)
逆を言えばフリーソフトのAACはお世辞にも良い音質とは言えない。

もっとも、そういうのってどっからか拾ってきた動画※を変換するのに
使うのだろうからそもそもどうでもいいのだろうけど。
ちなみにのちのち動画を無劣化編集する場合は音声トラックはAAC推奨。
MP3は音ズレの原因となる。

※それ自体がフリーソフトでAACエンコされてたりしてね

2015年2月22日日曜日

軽いフリーのアンチウイルス比較 2015年春

2016年版はこちら

【2016】軽いフリーのアンチウイルス比較
http://mu-san.blogspot.com/2016/04/2016.html

*****

今年もいつもと同じように比較して俺まとめ。

メインメモリが当たり前に4GB8GB積んでるご時世になったので
今回は使用メモリ量の比較はしてない。
たかだか数MBのSIMMメモリのために、数千円握ってばんぺいくんで駆ける
スクルドの姿はもう21世紀にはないのです。



【環境】
今までお世話になったHPサーバは故障したためより旧いPCが登場。

・ベンチマーク環境 on VMWare Player 7.1.0
ホスト:Windows7 64bit Home on HP p6170jp(E7500 2.9GHz)
ゲスト:Windows8.1 Ent. 32bit(1CPU、2GBmem ページファイル200MB)
※VM用仮想ディスクはホストシステムディスクと別の物理ディスク上に配置

・ベンチマーク方法
「ぼくは航空管制官3 香港カイタックエアポート」のインストールフォルダ
(約6000ファイル格納)をZip圧縮したもの※を
1.デスクトップ上で展開
2.1で展開したフォルダを新規にZip圧縮
これにかかった一連のバッチ処理時間を2回計測、それぞれよかった値を採用。
※今回は時間短縮のため2MBを超えるファイルは除外


【結果】
並びは展開+圧縮の合計時間順。
バージョン表記は小数点の概念がすっとんでるご時世なので
最初の小数点をはさんだ上位のみ表示。
・(参考)Windows Defender無効
展開:50.6秒
圧縮:89.8秒
計140.4秒


■速い
Avira Free Antivirus 14.0 [日本語]
展開:59.4秒
圧縮:90.7秒
計150.1秒

毎回毎回相変わらず最速。
日本語表示&高検出率で無難中の無難。
なにが一番おすすめって言われたらこれがおすすめ。

ただし機能はその名の通り「アンチウイルス」のみなので、
フィッシング対策などを盛り込んだ「セキュリティソフト」が
必要であればキングソフトなど別のものに求めるほかない。

ただ以前から主要なブラウザにはある程度機能するURLフィルタ機能
(IEでいうところのSmartScreen)がついているので、十分と思うなら不要。

小学生からお年寄りまで安全かといわれればそうでもないかもだけど
自分ひとりしか使わないなら全然問題ない。


Qihoo 360 Internet Security 5.0 [英語日本語]
(QVM+クラウドエンジン有効)
展開:60.5秒
圧縮:92秒
計152.5秒

(7/30説明更新)
Qihoo(奇虎、チーフー)は中国大手のセキュリティ企業。
国交問題を乗り越え(?)Ver6あたりから日本語対応。

BitDefenderだけでなくAviraも搭載可能で、本当に動作して
いるのか不明も両エンジンとも手動検索で利用可能。

リアルタイムで使えないのはキングソフトに同じ。
ただしデフォルトでは追加エンジンはインストールされていない。
余談を言えば、今年に入ってテスト機関に持ち込んだものが
この一般に配布する素うどんでなくBitDefenderが最初から
有効化された天ぷらうどんだったということが各機関の不信を買って
AV-comparatives、AV-TEST、VB100から袋叩きにあいミソがついた。
そのせいかAndroid版サイトにある各機関の認証マークが
PC版サイトには表示されていない。
表現としても「awardedなエンジンがこの製品には搭載されています」
といった感じで「この製品はawardedです」とは書いてない。

まあそこんとこはなんであれ、デフォルトで搭載完了していない以上
「利用可能」くらいが最低限正しい表現だと個人的には思うけども。
ちなみに機能を絞ったEssential版のバグ修正等はメインより
少し後追い気味で更新。
また、「脆弱性の修復」機能を搭載し、旧いバージョンのFlashやJavaなど
ドライブバイダウンロード攻撃で狙われやすいものを検知する・・・
はずなのだが、ひとつ前のFlashをインストールしたところ検知せず、
かわりにWindows10正式リリース前の的外れなKBを入れろと言ってきた。
なのでその機能は信用して無い。
これきちんと動作してれば諸手を挙げておすすめしたんだけどねえ。

(余談)
ちなみにこのテのツールはカスペルスキーがベータ版として提供中。ただし英語。

Kaspersky Lab製のソフトウェア自動更新ツール「Kaspersky Software Updater」
http://www.forest.impress.co.jp/docs/review/20150706_710206.html

というのも、こんなニュース。

東京都、職員のPCがウイルス感染、ニュースサイトのバナー広告で
不正サイトへ誘導される
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150722_712772.html

ごく一般的なサイトを見て回っていても感染する時代に突入。
「怪しいサイトはみない」という防御策がそろそろ「怪しいメールは開くな」と
同じ程度まで下がってきた。

今日のウェブブラウジング環境はブラウザからFlashからなにからみんな
脆弱性対応でアップデート祭り。ワンデイゼロデイ当たり前。
そして無駄にflashを使いたがるリッチ仕立ての広告。
このFlashを使用した広告ネットワーク(配信経路が多層で出処がもう
なにがなんだかくっちゃくちゃ型)のおかげで広告だけでなく攻撃コードまで
さまざまなサイトを通じて全世界へ配信中。

こっちから近づいて行かずともあちらからやってくる時代。

だがしかし、こいつは脆弱性を埋めておれば防げた被害。
こっちから近づかずともあっちからやってきた、でもちゃんと
対策しておれば防げた同例は10年ほど前のブラスターワームの流行。
みんながWindowsUpdateをちゃんとするようになった契機と言ってもいい。
ブラスターのときはこれに対応すればしばらく安泰であったが
今では対策⇒安泰⇒また危険というサイクルが短くなっている。
でも基本的には素早く対応すればまあ安泰ということに変わりない。

セキュリティソフトウェアに求められるのは検出力もさることながら
WindowsUpdateで面倒見てくれないこういったインストール済み
ソフトウェアの更新管理が求められると個人的には考えている。

と前回も書いたけど、有償無償問わずどこもまだ腰が重い状況。
ただ一番の問題は、FlashだろうがJavaだろうが、ユーザー権限だと
アップデートできないという「当たり前に思ってるけどそれって本末転倒」
な現状であって、これをまずどうにかせにゃならんのだけど。

Flashがなくなればいいという論調もあるけども、突き詰めればブラウザも
脆弱性と戦う存在である以上、繰り返されるバージョンアップ戦争の
終結にはあまり寄与しないじゃないかとは思っている。
が、Flashってはじまり何年前の技術よ。という考え方で言えばもうそろそろ
完全新作書き下ろしな技術に置き換えられてもいいんじゃないかね。
HTML5でもなんでもいいから、もう。勘弁して。
(社内シス管の愚痴ここまで)


KINGSOFT Internet Security 2015 無料版 [日本語]
展開:60.2秒
圧縮:96.3秒
計156.5秒

ブラウザのホームページを設定するのと引き換えに、ポップアップでの
広告をなくした戦略は個人的にはアリと思う。
ちなみに「Wエンジン」がウリであるも、設定画面を見る限りは

リアルタイム保護では使用されない様子。
個人的にはキングソフトのクラウドエンジンはなかなか悪くないと
思っているので、特にAviraにこだわらないけど。

商用利用可能なので、コンプライアンスのコの字も無い零細企業の皆さんに
多少なりの良心があったらお使いのPCに入ってるAvastはアンインストールして
こっちに乗り換えていただきたい。軽いし。
余談を言えば、不要ファイル削除機能が地味に強力。単体で欲しい。

UIにネコ写真を貼っつけただけの猫セキュリティ(どうなのこのネーミング
センス)はインストール時にブラウザツールバーのインスト可否を選択
できないので若干注意。
まあ、あとで無効化するなり削除するなりすればいいだけの話だけど。
こっちは従前どおりポップアップ広告が出る方式。正直うざったらしい。

ちなみにキングソフトはテンセント(騰訊)の傘下。
また、テンセントはバイドゥ(百度)と接近していることもあり
さらにバイドゥはキングソフトと提携していたりもするので
本家
Tencent PC Manager
Baidu Antivirus
これら無料アンチウイルスの中身はきっと同じ。


Panda Free Antivirus 15.0 [英語]
展開:63.3秒
圧縮:94.9秒
計158.2秒

クラウドベースアンチウイルスの先駆け。
日本語非対応かつ目立つポップアップ広告も表示。
これといっておいしいところはあまりない。

基本オンラインでの使用前提。オフラインでも動作するけど。
以前と比べるとモバイルでもwifiなどで常時接続していたりするので
オフラインによるディスアドバンテージは考えなくていいかも。


■ふつう
AVG AntiVirus FREE 2015.0 [日本語]
展開:66.5秒
圧縮:98.4秒
計164.9秒

avastと並んでXP世代ではフリー最古参の部類。
当初はチェコに本社があり、社名もグリソフトという名だった。
現在は製品名にあわせて社名もAVGと名乗っている。

挙動は一見アイドル中もわさわさとプロセスがうるさい。
何してるのかなと思ったらポップアップ通知出すために
コソコソ動いてましたみたいな。
特段速くもないので、せめてこういう無駄な動作は
省いていただきたいのだけど。

ポップアップはおいといて、リンク先・検索結果の安全性を
検証してくれる機能があるので海外のポルノサイトめぐりが
好きな諸兄ならびに、元気よく野良スマホアプリ探しに精を出す
小中学生のお子様をお持ちの親御さん方にはよろしいかと。

難点を挙げると、アップデートかかると再起動を促すポップアップが
表示されることしばしば。こんなの久しぶり。
2000年代初頭のアンチウイルスなんかアップデートのたんびに再起動
してくださいって出てたけども、今もう2015年だから、その、ちょっと。



Bitdefender Antivirus Free Edition 1.0 [英語]
展開:70.8秒
圧縮:95.3秒
計166.1秒

Aviraと並んで検出力に定評のあるアンチウイルス。
日本語には非対応。
継続利用にはfacebookアカウントと連携するなどして登録が必要。


avast! FREE ANTIVIRUS 2015.10 [日本語]
展開:71.4秒
圧縮:96.9秒
計168.3秒

(ファイルシールドとウェブシールドのみインストール)
決して速い部類ではないも、古くから日本語対応のため
人気のあるアンチウイルス。こちらも要登録。
最近はVB100での結果が芳しくなく、WindowsDefenderや
K7(ソースネクストのウイルスセキュリティ)と同程度の結果に。


■重め
FortiClient 5.2 [日本語]
展開:63.6秒
圧縮:127.5秒
計191.1秒

フリーで唯一実用的なサイト閲覧制限機能搭載。
アダルト禁止な小中学生のお子さんがいるお宅向け。
(もっとも、スマホが普及した昨今じゃPCのペアレンタルコントロール
なんてすでにもう要る要らないとかいう話じゃないかもしれんが)
ただ積極的に選ぶ理由はそこしかないのだけど。

比較的メジャーじゃないけど検出力も悪くない。
バージョン5の初物は散々な出来だったけどだいぶこなれてきた感。


・Windows Defender 4.6 [日本語]
展開:112.3秒
圧縮:90.3秒
計202.6秒

展開が突出して遅い。
特に実行ファイルの取り扱いが非常に下手で、展開中目に見えて
.EXEファイルのチェックでひっかかってることがわかる。
検出力もよくないのでさっさと何かまともなやつをインストールして
こいつは楽にしてあげたほうがお互いのため。


Ad-Aware Free Antivirus+ 11.5 [日本語]
展開:70秒
圧縮:135.4秒
計205.4秒

古くからアドウェア・スパイウェアの検出・駆除に定評。
ややヘンテコながら一応日本語対応。
万人向けというよりは玄人好みといった趣。
インストールサイズも動作も重量級。
ウイルス検知エンジンにBitDefenderを搭載。


COMODO Antivirus 8.1 [英語]
展開:61.3秒
圧縮:158.8秒
計220.1秒

sandbox機能はOFFにした、antivirusのみ有効の状態でこれ。
COMODOはもうパフォーマンス改善について諦めているようにしか
見えない。