Lecture 1
「リバタリアニズム」
■リバタリアニズムの身近な例
「干渉主義的な立法の否定」
シートベルトをしないからといって、他人に迷惑がかからない。
俺の自由だ。なのになぜ取り締まる。
「道徳的な立法の否定」
東京都のマンガ条例イミフ。
マンガを規制しておいて石原慎太郎の障子ポコチンはOKて。
なにが世間一般のモラル・価値観とするかの線引きが横暴じゃないか!?
「"金持ちから貧困層への"富の再分配の否定」
俺の金は俺のもの。なぜ税金を取る。
■ノージックによる課税への反論
課税 = [所得] の取り上げ
= [所得にかかる労働の結果] の取り上げ
= 納税先のための[無償労働]
= 納税先からの[被奴隷]状態
= 人は[奴隷]でない。
「自分を所有しているのは自分である」
ということの侵害
この、「自分を所有しているのは自分である」という考え方が
リバタリアニズムの基本的なところにある。
***
Lecture 2
課税の正当性
■税金には2種類ある
・富の再分配でない税金
町内会費のように、防犯灯の電気代などに使われるもの。
同じように、国民全員がなんらかの形で恩恵をうけている、
警察・消防・調停システムである司法や公正な市場制度を
維持するのに必要なコスト。
→いわば必要経費なのでナットク。問題ない。
・富の再分配である税金
ビル・ゲイツからたんまり取って、貧困層の生活を
支援するのに使われるお金。
→ナットクできない。個人の財産権を侵害している。
強制的に取られてしまうあたりリバタリアニズム的に
大問題。
■リバタリアニズムへの反論
・統治されるものの同意による課税は、強制ではない。
いやなら税のない国(?)へ出てゆけばいい。
それも厭なら税金廃止をかかげて国政の場へ立候補すればよい。
そして好きなように変えればいい。
民主主義にのっとって。
しかし大多数は税の廃止を歓迎しないはず。
なぜならアメリカの富は人口と比べて
絶望的なまでにバランスを失っているから。
・そもそも、「自分を所有しているのは自分である」
という論拠自体が正しいか
ここでコケたら話にならないよ?
■「自己が所有する自己:自己所有」と私有財産
この「自己が所有する自己」の考え方はノージックのもの。
そしてさらに、ノージックはジョン・ロックからアイディアを
借りてこの考え方をかたちにした。
自己の労働力を所有しているのが自分であるからこそ、
「労働力の対価=所得」も自分のもの、と考えることができる。
という考えをつくったのがジョン・ロック。
ならばまず、ジョン・ロックの主張を吟味する必要がある。