2010年7月23日金曜日

星に願いを

Cocco - 星に願いを

歌詞はこちら


■つらつら

・対になっている箇所を拾ってみる

 歩み

  1.歩みも甘い拙い声
   騒がないで 血飲み子ちゃん

  2.慰めないで構わないで
   労わないで歩けるから

  ・歩けないと騒ぐ人間
  ・ひとりで歩けると切り捨てる人間


 痛み

  1.浸ってないで滲みたぐらいで
   濡れたなんて笑えるから

  2.ひらかないでひろげないで
   やさしい手で触らないで

  ・傷が滲みたくらいで涙に濡れる人間
  ・傷をえぐられてもどこか平気な人間 


・登場人物

 ・強い「わたし」
 ・弱い「血飲み子ちゃん」
 ・「あなた」

 この三者。
 「あなた」は弱い人間を見つけてはいたわるのが好きなのか
 今これから「わたし」を置き去りにしようとしている。
 弱い女勝ち抜きトーナメントを行っている。

 それを知ってて近づく「血飲み子ちゃん」。
 人のものなどお構いなし、利用出来るものはすべて使って
 誰かの生き血をすすって生きている。
 
 
・信じている?いない?

 普通、何かを信じた果てに絶望したらそれを信じなくなる。
 否定する。
 たとえば神を否定するにはまず、神の存在を認めないと
 話が始められない。

 本当に神の存在がないものとするなら

 「は?カミってなんね?オバーの名前か?」

 という論理でしか片づけられない。

 話戻ってここでは曲のタイトル通り、星に願いをかけ、
 結果叶わなかった人間の話。

 じゃあこの星というものは「願いをかなえてくれない」もの
 としてを否定しているかってーと、そうでない。
 
 この期に及んでもなお、星に願いをかけている。
 お前など消えてしまえと言っている。
 皮肉ではなく、心から願っている。

 星の数だけ願いがあるならば、相反する願いもあるはず。
 それらがどんな形であれすべて叶えられるとすれば、
 優先順位が決められた上で流れ星と共に叶っていくことになる。
 なぜなら宇宙はコスモスで以て成立している。

  自分の願いよりも優先された願いがあった。
  今このとき叶わなぬ願いなど意味が無い。必要ない。
 
  いっそすべてかなってしまえ。
  それがどんな混沌をもたらそうとも。
 
 すべての願いがなくなったとき、暗闇だけが広がる。 

 夜が明けますようにという、他愛ない願いさえかける星もなく。
 わたしの願いが最後に叶う。

 そして膨れ上がった世界はまたもとに戻る。
 わたしもない、あなたもない。
 大地も海もない。

 もし神がいるのなら、神がその気ならまた光が生まれ、
 空と星がふたたび生まれる。
 
 安らかな闇夜はいつまで続く。
 時間も混沌の中へ消えた世界で。