2015年7月17日金曜日

ヘッドホンメモ

購入が新しい順に備忘レビュー。

■Audio-technica ATH-S100 購入価格:2000円ないくらい

まず最初に、よくできてると思う。
素直にそう思う。そして価格も安い。
売れる理由がよくわかる。

音場はそう広くなく、味付けもないので高音のヌケはよくない。
が、中高生お好みのドンシャリ目にイコライザーを振ると
待ってましたとばかりに本領発揮。
低音から高音まで見通しよい。

学生さんにターゲットを絞って大成功してる感。
ただ、露骨にいやらしい感じはしないので、イコライザー前提なら
おじさん世代にも普段使いとしてじゅうぶん使える。

装着感はちょっと圧強め。
これが奏功してポータブルながらなかなかの遮音性を実現。
インピーダンスも公称32Ωながら手持ちのUSB音源のノイズを概ね拾わない。

イコライザなしでWeb動画や映画を見る分には力不足であるも、
プレーヤーでロックやポップスを聞く分なら買って損はない。
おすすめ。


■DENON AH-P372 購入価格:2000円ないくらい

賛否両論の「デノン」。
本体のコードが短いため、百均で売られてるような安っぽい
延長コードが付属。このコード、異常に細いため絡まりやすく
クセも取れにくい。
で、そのコードと同じものが本体のコードに使用されている
という体たらく。見た目太さ・質感はパイオニア以下。
せっかく折りたためるポータブルなのに、取り扱いは
断線の恐れと常に隣り合わせで精神衛生上よろしくない。
購入した個体は返品を申し立てても
「両方ちゃんと聞こえてるじゃないですか」
と言い張られてしまうだろう程度の微妙な音量差未満の
左右のヌケ差があって凹む。

とにかく安くつくろうとした魂胆は見え見え。
クオリティコントロールにも疑問符がつく。
もうちょっとものづくりにこだわりが欲しかった。
別にアンチの肩を持つつもりはないけど、そりゃ往年の
ファンはガッカリするだろうよと同情はする。
他社と比べると作りに関しては及第点が甘めの印象。
個体差も小さくない可能性は捨てきれない。

一方音質はよくまとまっていて後述のHP-RX500をベースに
出汁程度の塩分でドンシャリ目にした感じでいい塩梅。
音のヤマはなくWEB動画視聴に向いてる。
どちらかと言えばvraison付属ヘッドホン寄りで非常に
好みの音質。
公称インピーダンスは35Ωだがノイズはやや大人しめ。
高音域はクリアな一方サ行は刺さらない絶妙な味付け。
これは現時点でずば抜けている。素晴らしいの一言。
ただし見通しがいい反面音は結構粗め。
大入力には耐えられず比較的すぐ割れ気味。
クリアなだけにそれが余計に目に(耳に?)つく場面も。
なのでイコライザはほどほどに。
音場はそこそこ、定位はしっかりしてる。

兎角バランスの良さが光るモデル。
言い方を悪くすればバランスだけで持ってるようなモデル。
設計はしっかりしてるが企画がどうもうまい落としどころを
わかっていない様子。
この価格でどんだけのもんをつくるという、よくも悪くも
「エントリーライン」な製品をつくる上での踏ん切り、コストの
割り振りをつけるノウハウが今ひとつ十分でないように思える。
総合的には好み。つくり以外は。


■SONY MDR-305 購入価格:譲受

よくあるチープなヘッドホン。
が、腐ってもソニー。
コードは太めだしプラグの質も高い。そして無駄に片出し。
想定される用途はおじいちゃんおばあちゃんがラジオ聞く
とかテレビ見るとかLL教室の視聴用とかそんなあたり。
ちなみに現在はソニーのラインナップにない。

公称インピーダンスは低めの24Ω、しかし音量はやや小さい
ほうで手持ちの環境ではノイズはまったく拾わない。
一方最大入力1000mWは桁ひとつサバ読んでいて、このテの
廉価プラスチック開放ホンと横並びで大入力には弱い。
なのでイコライザはないものとして扱う感じ。

籠りとは無縁。低音もなし。側圧もなけりゃ重量もないと
ないないづくしなので長時間のながら作業用やDVD視聴に
ぴったり。
聞いているとつくづくよくできたバランス加減に感心する。
どんな声質の人が話しても比較的キンキンしづらいあたり、
同じフラットな傾向のRX500でもここまではできない。
ただしプレーヤーの機能で強めにノーマライズかますと時に
限界突き抜けるけどそこはこいつのせいじゃない。
得手不得手を無理にイコライザで調整するのではなく
いっそ別にこのテのものひとつおいておくという発想は
十分ありと思う。

現在ソニーではこのテのものはラインナップに取り揃えて
ないので、パナかオーテクあたりから探すことになる。
近いものでは密閉型のHA-S160があるけども
この装着感はオープンならではなので、そっちをチョイス
するのは目的とズレてしまう。


聴き疲れしない音質がほしいけど、遮音性もそこそこ…という
場合はTV用エントリーモデルあたりからチョイス。



■JVC HA-S680 購入価格:3000円台前半

3ケタHz寄りに巨大なヤマがある、フラットでない音作り。
耳をぎりぎりすっぽり覆う密閉型。
コードは太く全体的なつくりもそこそこのものであるが
肝心の音が味付け濃い目でテレビやWEB動画などの視聴は
不得手な場面が目立つ印象。
トーク中心のネットラジオ等は見通しが悪い一方、
低音も強調されているので重たくて疲れる。
また、気軽にBBCプロムスでも聞こうかしらなんて
思った日には悲惨でクラシックっていつからビッグバンドに
なったんだという疑問さえ抱えることになる。
一日中ジューダス・プリーストを聞き続けるならともかく、
通常ではイコライザなしでの運用はおすすめしない。

音楽プレーヤーなどでがっつり音楽再生するために
イコライザを選択しようにもフラットを前提とした
プリセットに選ぶものがない。
とまあ、そのままでは使いづらいし、飼いならそうにも
なかなか思い通りになってくれないじゃじゃ馬。
親戚知人に中高生がいたら迷わず差し上げて別のものを
お買い求めになるのがおすすめ。
同じエントリーラインのRX・RZシリーズとは異なり
上位モデルになるほど低音重視の傾向が強くなっている
のだとしたら、ちょっとおすすめしづらい。

ちなみにイコライザはユーザー設定で緩いドンシャリ型に
持っていったほうが却ってフラット寄りに鳴るんで
そこを落ち着きどころにする感じ。
foobar2000ではshimmerプリセットをもとに少しいじる
程度で使用。


WMPならこんな感じ。


一昔前だとケミストリーあたりに見られるデフスターの
音作りが苦手という人はいっそ高音域はいじらないのもテ。



■Panasonic RP-HX300 購入価格:1000円台半ば

アルフォートのビスケット側のような、中央が
ふっくらこんもりした形状のドライバ。
平たくないものですから、そのまま装着すると
中央部分が狭い面となって耳のでっぱり(耳珠、トラガス)に
てきめんに触れて不快。
そこに側圧がかかると出っぱりで耳を塞ぎ気味にさえ
なってしまう、どないせーちゅーねんな設計。

これを避けるため、耳の中心でなくややこめかみ寄りに
装着したり耳たぶに落ち着きどころを探してみたり
いろいろやるのだがどこをとってもしっくりこない。
なぜならこの耳あて部分がいかんせん硬いのである。
プラスチックに薄い、ごく薄いスポンジをかぶせただけ
なので長時間は痛い。

音漏れする一方外界音を遮らないので、防犯に配慮した
女性のひとり歩きや自転車乗りの事故防止向き。
要するに想定されるユーザー・用途は屋外の通勤通学用。
だもんで長時間がっつりというわけではなさそう。
そう考えると小さめのドライバ・装着位置はピアスや
イヤリングなどに触れないよう女性に配慮した結果の
かたちなのだろう、たぶん。
あと赤ちゃんのお昼寝中、スピーカーも使いづらい状況で
パパママが一息つく際に使うのにもいいかも。
泣いたらちゃんと聞こえるし。

音質は聴き疲れしないクリアなもので、低音と
5kHz以降は比較的弱め。
イコライザで持ち上げてもサ行は刺さらない。
フラット~高音寄りなのでEQ設定はある程度素直に
反映され、巷の「perfect」「Eargasm Explosion」
Pops系プリセットはだいたい想定通りの働きをする。
一言で言えば、帯域の狭さで無難にまとめあげている。
個人的には嫌いじゃない。装着感以外は。


■Pioneer SE-MJ512 購入価格:1000円台前半

SE-MJ511のマイナーチェンジモデル。
コードは細く、何からなにまでプラスチック。
低音が強調されているというより、単純に可聴高音域の
インピーダンスが高めなだけに見受けられる。
9~10kHzより上が特に苦手。
手持ちのノイジーなUSB音源(VRAISON)のノイズを
拾わないヘッドフォンの中のひとつ。
一方低音域は耳が痛いほどのバランスで出る無粋さ。

イコライザで高音域を持ち上げると出ることには出るが
さじ加減が難しく音質もがさつでさわるのを諦めた。
定位だけはきちんと場所をわきまえて鳴ってる。
嫌味を込めて言うと、よくこの値段でここまで低音
かき鳴らせるものつくって売り出せたなと変に感心。
中高生向けのドンシャリ用と考えると、お小遣いで
手に入るあたりそのコスパは高い。

イコライザがいじれないWEB動画視聴ではその横暴な
までのドンシャリ(というかドンガザ)感を味わえないので、
スマホなりポータブルプレーヤーなりでEQ通してあげて
から聴くスタイルになる。
大人は買っても得しない。
ていうか2度痛い目にあったパイオニアはもう買わない。


■Pioneer SE-M290

マイナーチェンジ後の現行モデルはSE-M521。
装着感は素晴らしい。
が、高音域はないに等しい。
おかげでSE-MJ512に同じくこっちもノイズを拾わない。
高音域をしっかり殺すのはパイオニアの哲学なのだろうか。

たまに高音域もちゃんと出てますよというレビューあるも
そりゃイコライザかけて音量だせば出ますよって理屈だが
こちとらPCブラウザでYoutube見るんでしてわざわざどうして
イコライザかける奴がどこにいやがるかって話だもんで
何の解決にもなりゃしない。

あるいはインピーダンスがどうたらでヘッドホンアンプ
使わないからお前らシロートさんはこうなるんだよまったく
無知はどうしようもないね的なレビューもあったりするけど

 ヘッドホンアンプ使うこだわり派が1500円のヘッドホン買って
 これは高音質だと満足してる時点でおかしいだろ、話がよ

という矛盾が解決できてない。
可聴域ですでに大きな落ち込みが発生しているのが根本的に
問題なのであってそれは手抜きだろうという点が置き去り。
要するに、どんなに擁護したってユーザのニーズとマッチ
してない商品を世に送り出しておいて平気な顔してやがるって
事実はどうにも揺るぎない。

遅延とかマシンパワー食うとかそういったもろもろを受け入れて
常駐イコライザツールの導入OKよというユーザー(波形編集も
動画編集もFPSもしないような普通の人)なら買ってもまあ
いいのでしょうが、そうでない人にはおすすめできない。


■JVC HP-RX500

ビクター時代の大ヒットモデル。
発売がケンウッド統合前なのでニッパー君が描かれた
HIS MASTER'S VOICEのVictorロゴ入り。
マイナーチェンジ後の現行モデルHA-RZ510はJVCロゴ。
モノ自体は基本的にいっしょだが、わんわんマークに
愛着のある人は在庫から買い求めるしかない。
若い人にはどうでもいいことだろうけど。


コードの太さは普通より僅かに安心する程度。
耳あては最近流行りの蒸れて音の抜けが悪いビニールでなく
ベロア風の布地。密閉性は皆無で実質セミオープン。
重量も装着感もかなり軽く疲れない。
ちなみに兄弟機のHP-RX300(現行HA-RZ310)は比較的
籠もり気味の印象。装着感や傾向は似てるがRX300は
イコライザかましてやる前提なのかも。

このモデルは市価3000円ほどであるも、個人的には2000円台
くらいで適正なように思う。
その点で言えば近い音作りのMDR-XD150あたりが価格なりで
こっちよりもお買い得と思う。


音質は比較的フラット寄りだが1kHz近辺が強く、響きが少々汚い。
そのため解像度は決して高くないものの、概ね嫌味のない音。
音場は広いほうで定位もそこそこ。
WeatherReport等のフュージョンからスネークマンショーほか
アニメのラジオドラマCDまでなんでもござれ。FPSにもいいかも。
公称インピーダンスは70Ωとあるも、音量はガンガンとれるので
ノイズもそこそこ残る。

高音の籠もりはなく低音も大人しめでWEB動画視聴向き。
体力のないおっさんにはちょうどいいが、体力有り余る
ドンシャリ中学生からすると病院食のような味付けで
ベースを味わうにはそのままでは物足りない。
それでもだいぶよいほうのバランス加減。

高音域持ち上げてよりクリアにするのもいいけど、いっそこのまま
少し頭打ち気味でもいいかなと個人的には思う。
イコライザを通すと案外低音は鳴る。が、大きな低音の入力は
苦手なようでワウワウして不安定になる。
WMPでのイコライザ設定は「クラシック」を基本に、引き算で
持っていったほうがいい感じ。


要は1kHzあたりがどうにかなれば万事OKという見方をすりゃ
ちまちまいじるなんてしち面倒な事なんかせずに
選びたいプリセットから1kHzを切ればそれでいい。
(下図はロックの場合。わかりやすいよう最低まで下げてる)



■maxell vraison VH-OH24(HP-U24)

USBオーディオとヘッドホンのセットで販売。
だいぶ前にPCオーディオとは無縁のディスカウントショップで
売れ残っていたのを購入。たぶんどこかの在庫流れ品。
USBDAC(に、付属する高音質化ドライバ)が本体で、おまけで
ついてきたような代物だが長年お気に入りで使用中。

密閉性はほとんどなく実際はセミオープン。
高音域は上まで衰えを知らず高音は容赦なく突き刺さる。
そこを除けば低音もスカスカせず適度に鳴って
バランスよく仕上がっておりYoutubeなどを見るのに最適。
音場はせまく定位はまあ及第点。そのあたりの不足については
比較的ある響きや艶でカバーしてる感じ。
全体的にはこの音作りは非常に好ましいのだが、
マクセルはとうの昔にオーバーヘッド型のヘッドホンを
つくらなくなってしまったとさ。勿体無い。