2010年3月4日木曜日

添加剤を買ってみました 後編

前編で書いたことについての余談シリーズ。
長くなったので分割。


■余談1

書くにあたっていろいろなパーツレビューサイトや車ブログを
見て回ったけど、「スーパー」でないパーフェクトクリーンについて
「効果があった」とする評価書き込みを探し当てることは不可能だった。
メーカーの七光りか、Castrolもこのテのものの中ではけっこう売れてる
ほうだと思うのだけどKURE同様にまともに効果があったとするレビューは
ほぼ皆無。
効果があったとする数少ない口コミ評価も「0.5km/l燃費改善」って、
正直うーん、な気持ちになる。


■余談2
エンジン清浄効果があるとしているENEOSのNEWヴィーゴ
サイトでの説明を見る限りでは、1万kmで完璧きれいになりますよと
いうことになる。

じゃあ10000km分走るのってどんだけレギュラーと差が出るん
ですかという話になる。

・ひとまず燃費の改善効果は考慮せず13km/L固定
・プレミアム分がリッター10円
として計算。

10000(km)÷13(km)=769L分
769L×10円=7690円

【結論】
ヴィーゴでエンジンきれいにしようもんなら、プレミアム分で
8000円近くかかる。
よって、「添加剤入れるよりハイオク」では割に合わない。


■余談3
主観と勘違いが多くあるレビュー


STPのスーパーガストリートメントを入れてみた。
モノは5年前に走行距離8.5万kmの中古で買ったヴィヴィオ(SC)。
それから10.8万kmまでの間添加剤の類を入れたことなし。

入れてからの走行距離
・約30km
体感できる変化なし。
入れる直前にチェックした際、まだブラウンだった
エンジンオイルがかなり黒くなってた。
添加剤投入はオイル交換後ではなく前にやれという定説(?)は
たぶんそのとおりだ。

・約60km
体感できる変化なし。
昨年修理でつけかえたマフラーエンドに黒いよごれが。
不完全燃焼臭い排ガスのにおいは改善なし。

・約90km
アクセルを踏む角度・時間が浅くなった。
今までのつもりで踏むとブレーキ回数と量が増えるので非効率。
しかしトルクアップは感じられない。
トルクなしにスーッっと加速している感じが、車が勝手に
思ってる以上に加速しているようでなじまない。
この先、これに慣れるのかトルク感が追いついてくるのかは
わからないけど。

・約120km
マフラーの汚れ継続中。
マフラー出口付近にちょっとしたススの山、へりに高い液体が増殖中。
雨で流れてるのかな。
アイドリングはだいぶ静かになり、エンジン音・マフラー音でなく
ベルトのしゅるしゅるいう音が聞こえるまでに。
エンジン始動時のいやな排ガス臭さがようやく減少。
(毎日密室の貨物エレベーターでいやというほど嗅ぐのでありがたい)

・約150km
アタリというか、クセのついてる回転数(うちのは1950rpmあたり)より
上の回転数でトルク不足を感じていた問題は徐々に解消。
一方でアイドリングの振動と不完全燃焼くささが復活。
はてさてふーむ。

・約180km
トルク感出てきた。タンクは空に近い状態。
排ガスの匂いは収まったけど、かわりになぜか生ガスでなく
軽油っぽいにおいがする気がする。添加剤のせいかな。

・約240km
残りのボトル半分を入れての給油からしばらく。
マフラーエンドの汚れは折り返し前にストップ。
2000回転より上が重い。燃費もダウン。(13km→12km)
オイル真っ黒。
フルで使い切る前にオイル交換したほうが得策か、はたまた
まだまだ汚れは残っていてオイル交換は先延ばしすべきか。
悩ましいところ。


まとめ
10万km走ってくたびれたエンジンには効果があるも、100km近く走って
ようやく効果を体感し始める程度。
たぶん、「添加剤マニア」は爪が伸びる前にこまめに切るような
ことになっちゃってるので効果を体感できないのでは。

この製品についてTips追記。
STPスーパーガストリートメントを長く楽しむ。


***
06/10追記
その後まもなくオイル交換実施、燃費回復。(改善ではない)
オイル交換もあいまってレスポンスはよくなったが、従来を上回る
燃費の改善まではいたらなかった。
やはりこのテのものはそれ自体が目的という道楽くらいで
いいんじゃないかしら。
***


結論

・オイル交換の目安、インターバル
オイル交換は、オイルが汚れてからでいい。
普通に走ってたら1年ありゃあ汚れる。
正直、酸化がどうたらで半年というのは神経質すぎで
そこまでの間隔を短くする必要は、普通はない。
オイル交換が目的でオイル交換する趣味の人ならいいけど。
楽しいよね。でももうしないけど。

・添加剤の投入タイミング
ガソリン添加剤は、だいぶ汚れてきたオイルにとどめを
刺すつもりで500円程度のものをオイル交換前の最後の給油時に
使用するくらいでいい。

・清浄効果をもつものとしてのハイオクガソリンについて
ハイオク指定でない限り、レギュラーで十分。
清浄成分目当てで「添加剤を買うより安い」理論で入れるのは
そもそもデータに基づいていないコストのかかる話。


■追記(2010/02/25)
オートバックスから1000円程度の添加剤発売。
MPGreen run clean
http://www.autobacs.com/static_html/spg/201002_mpgreen.html

本国サイト
http://www.mpgreen.com/
比較テストがプラシーボ心をくすぐる。
まだ店頭には並んでいない様子?
ただ、メリケンの商品なのにあちらさん方のレビューが皆無。
人口3億人にもかかわらず。大丈夫なのか・・・?



(以下現実)



■夢は夢であったほうが

・ひとつめ
清浄剤ではないけど、ブースト系添加剤の話題。



wynn's、NOS、STPほかから出てる「オクタンブースター」とか
「パワーブースター」といった商品は本当に効果があるんかいな
というお話。結果は見てのお楽しみ。


・ふたつめ
テレコンワールドでおなじみ(だった)のモーターアップ。
FTC(連邦取引委員会)から「走行距離5万kmの間エンジンを保護します」
だの、「腐食を防ぎます」だの「オイル交換してもモータアップの
効果は持続します」(意訳)といった根拠のない誇大広告はやめんしゃい
といういちゃもんがついていたとのこと。知らなかった。
(興味なかったから)
http://www.ftc.gov/opa/2000/03/motor.shtm

このテのお達しは過去に上記STPやValvolineにもやったそうな。
ちなみにもう一社いちゃもんついてる方は200万$支払えとのお達し。
こっちは最大35%燃費Upという数字を出たからか、手厳しい内容。


・みっつめ
EPA(日本で言う環境省みたいなとこ。ディスプレイとかに貼られてる
EnergyStarマークでおなじみ・・・でもない)に登録されている燃料添加剤
リストに上記MPGreenの名前が見当たらない。
LIST OF REGISTERED GASOLINE ADDITIVES
http://www.epa.gov/otaq/regs/fuels/additive/web-gas.htm

あることにはあるけど、ディーゼル用とある。
LIST OF REGISTERED DIESEL ADDITIVES
http://www.epa.gov/otaq/regs/fuels/additive/web-dies.htm
(いずれも確認時点の表記:This list is accurate as of Jan 12, 2010)

2種類あるうちのガソリン用についての登録はいずこ。
ちなみにこれは効果うんぬんではなく燃やしても環境や健康に影響が
でっかくないよという基準をクリアしたもの。

ところでこの表(後者)、会社名がMPGreenではなくTotal Powerとある。
ふーむ。

じゃあMPGreen(R)←とあるこれ、誰が登録してるかってーと、
http://tess2.uspto.gov/で検索すると2件ヒット。

ひとつめは会社名なんだろな、"MPGREEN"の文字列について。
もうひとつは商品に描かれているメーター調のロゴ。
どっこいこのロゴの登録は昨年12/29に死んでいる。ふむ。

まとめると

・ガソリン添加剤としてEPAに登録されてない。
・ディーゼル用添加剤にて登録されているのはMPGreen社ではない。
・MPGreenはMPGreen社の登録商標。
・MPGreenの製品ロゴ登録は登録から1年半で昨年末ごろにDEAD。

いったいなんだろうこの不思議な商品は。
実際の開発元はTotal Power社なのかな。

ちなみになぜか気になるのがXP3とかいう商品。
やってる実験内容がMPGreenとおんなじなムービー。
http://contactplus.naturerich.net/Xp3/index.cfm


***
2010/03/08追記
MPGreen登録を確認。やっぱりTotal Power社。
ついでにサンディエゴからDel Marにお引越し。もうかってるのかな?
(This list is accurate as of Mar 03, 2010)