【2016】軽いフリーのアンチウイルス比較
http://mu-san.blogspot.com/2016/04/2016.html
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今年もいつもと同じように比較して俺まとめ。
メインメモリが当たり前に4GB8GB積んでるご時世になったので
今回は使用メモリ量の比較はしてない。
たかだか数MBのSIMMメモリのために、数千円握ってばんぺいくんで駆ける
スクルドの姿はもう21世紀にはないのです。
【環境】
今までお世話になったHPサーバは故障したためより旧いPCが登場。
・ベンチマーク環境 on VMWare Player 7.1.0
ホスト:Windows7 64bit Home on HP p6170jp(E7500 2.9GHz)
ゲスト:Windows8.1 Ent. 32bit(1CPU、2GBmem ページファイル200MB)
※VM用仮想ディスクはホストシステムディスクと別の物理ディスク上に配置
・ベンチマーク方法
「ぼくは航空管制官3 香港カイタックエアポート」のインストールフォルダ
(約6000ファイル格納)をZip圧縮したもの※を
1.デスクトップ上で展開
2.1で展開したフォルダを新規にZip圧縮
これにかかった一連のバッチ処理時間を2回計測、それぞれよかった値を採用。
※今回は時間短縮のため2MBを超えるファイルは除外
【結果】
並びは展開+圧縮の合計時間順。
バージョン表記は小数点の概念がすっとんでるご時世なので
最初の小数点をはさんだ上位のみ表示。
・(参考)Windows Defender無効
展開:50.6秒
圧縮:89.8秒
計140.4秒
■速い
・Avira Free Antivirus 14.0 [日本語]
展開:59.4秒
圧縮:90.7秒
計150.1秒
毎回毎回相変わらず最速。
日本語表示&高検出率で無難中の無難。
なにが一番おすすめって言われたらこれがおすすめ。
ただし機能はその名の通り「アンチウイルス」のみなので、
フィッシング対策などを盛り込んだ「セキュリティソフト」が
必要であればキングソフトなど別のものに求めるほかない。
ただ以前から主要なブラウザにはある程度機能するURLフィルタ機能
(IEでいうところのSmartScreen)がついているので、十分と思うなら不要。
小学生からお年寄りまで安全かといわれればそうでもないかもだけど
自分ひとりしか使わないなら全然問題ない。
・Qihoo 360 Internet Security 5.0 [
(QVM+クラウドエンジン有効)
展開:60.5秒
圧縮:92秒
計152.5秒
(7/30説明更新)
Qihoo(奇虎、チーフー)は中国大手のセキュリティ企業。
国交問題を乗り越え(?)Ver6あたりから日本語対応。
BitDefenderだけでなくAviraも搭載可能で、本当に動作して
いるのか不明も両エンジンとも手動検索で利用可能。
リアルタイムで使えないのはキングソフトに同じ。
ただしデフォルトでは追加エンジンはインストールされていない。
余談を言えば、今年に入ってテスト機関に持ち込んだものが
この一般に配布する素うどんでなくBitDefenderが最初から
有効化された天ぷらうどんだったということが各機関の不信を買って
AV-comparatives、AV-TEST、VB100から袋叩きにあいミソがついた。
そのせいかAndroid版サイトにある各機関の認証マークが
PC版サイトには表示されていない。
表現としても「awardedなエンジンがこの製品には搭載されています」
といった感じで「この製品はawardedです」とは書いてない。
まあそこんとこはなんであれ、デフォルトで搭載完了していない以上
「利用可能」くらいが最低限正しい表現だと個人的には思うけども。
ちなみに機能を絞ったEssential版のバグ修正等はメインより
少し後追い気味で更新。
また、「脆弱性の修復」機能を搭載し、旧いバージョンのFlashやJavaなど
ドライブバイダウンロード攻撃で狙われやすいものを検知する・・・
はずなのだが、ひとつ前のFlashをインストールしたところ検知せず、
かわりにWindows10正式リリース前の的外れなKBを入れろと言ってきた。
なのでその機能は信用して無い。
これきちんと動作してれば諸手を挙げておすすめしたんだけどねえ。
(余談)
ちなみにこのテのツールはカスペルスキーがベータ版として提供中。ただし英語。
Kaspersky Lab製のソフトウェア自動更新ツール「Kaspersky Software Updater」
http://www.forest.impress.co.jp/docs/review/20150706_710206.html
というのも、こんなニュース。
東京都、職員のPCがウイルス感染、ニュースサイトのバナー広告で
不正サイトへ誘導される
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150722_712772.html
ごく一般的なサイトを見て回っていても感染する時代に突入。
「怪しいサイトはみない」という防御策がそろそろ「怪しいメールは開くな」と
同じ程度まで下がってきた。
今日のウェブブラウジング環境はブラウザからFlashからなにからみんな
脆弱性対応でアップデート祭り。ワンデイゼロデイ当たり前。
そして無駄にflashを使いたがるリッチ仕立ての広告。
このFlashを使用した広告ネットワーク(配信経路が多層で出処がもう
なにがなんだかくっちゃくちゃ型)のおかげで広告だけでなく攻撃コードまで
さまざまなサイトを通じて全世界へ配信中。
こっちから近づいて行かずともあちらからやってくる時代。
だがしかし、こいつは脆弱性を埋めておれば防げた被害。
こっちから近づかずともあっちからやってきた、でもちゃんと
対策しておれば防げた同例は10年ほど前のブラスターワームの流行。
みんながWindowsUpdateをちゃんとするようになった契機と言ってもいい。
ブラスターのときはこれに対応すればしばらく安泰であったが
今では対策⇒安泰⇒また危険というサイクルが短くなっている。
でも基本的には素早く対応すればまあ安泰ということに変わりない。
セキュリティソフトウェアに求められるのは検出力もさることながら
WindowsUpdateで面倒見てくれないこういったインストール済み
ソフトウェアの更新管理が求められると個人的には考えている。
と前回も書いたけど、有償無償問わずどこもまだ腰が重い状況。
ただ一番の問題は、FlashだろうがJavaだろうが、ユーザー権限だと
アップデートできないという「当たり前に思ってるけどそれって本末転倒」
な現状であって、これをまずどうにかせにゃならんのだけど。
Flashがなくなればいいという論調もあるけども、突き詰めればブラウザも
脆弱性と戦う存在である以上、繰り返されるバージョンアップ戦争の
終結にはあまり寄与しないじゃないかとは思っている。
が、Flashってはじまり何年前の技術よ。という考え方で言えばもうそろそろ
完全新作書き下ろしな技術に置き換えられてもいいんじゃないかね。
HTML5でもなんでもいいから、もう。勘弁して。
(社内シス管の愚痴ここまで)
・KINGSOFT Internet Security 2015 無料版 [日本語]
展開:60.2秒
圧縮:96.3秒
計156.5秒
ブラウザのホームページを設定するのと引き換えに、ポップアップでの
広告をなくした戦略は個人的にはアリと思う。
ちなみに「Wエンジン」がウリであるも、設定画面を見る限りは
リアルタイム保護では使用されない様子。
個人的にはキングソフトのクラウドエンジンはなかなか悪くないと
思っているので、特にAviraにこだわらないけど。
商用利用可能なので、コンプライアンスのコの字も無い零細企業の皆さんに
多少なりの良心があったらお使いのPCに入ってるAvastはアンインストールして
こっちに乗り換えていただきたい。軽いし。
余談を言えば、不要ファイル削除機能が地味に強力。単体で欲しい。
UIにネコ写真を貼っつけただけの猫セキュリティ(どうなのこのネーミング
センス)はインストール時にブラウザツールバーのインスト可否を選択
できないので若干注意。
まあ、あとで無効化するなり削除するなりすればいいだけの話だけど。
こっちは従前どおりポップアップ広告が出る方式。正直うざったらしい。
ちなみにキングソフトはテンセント(騰訊)の傘下。
また、テンセントはバイドゥ(百度)と接近していることもあり
さらにバイドゥはキングソフトと提携していたりもするので
・本家
・Tencent PC Manager
・Baidu Antivirus
これら無料アンチウイルスの中身はきっと同じ。
・Panda Free Antivirus 15.0 [英語]
展開:63.3秒
圧縮:94.9秒
計158.2秒
クラウドベースアンチウイルスの先駆け。
日本語非対応かつ目立つポップアップ広告も表示。
これといっておいしいところはあまりない。
基本オンラインでの使用前提。オフラインでも動作するけど。
以前と比べるとモバイルでもwifiなどで常時接続していたりするので
オフラインによるディスアドバンテージは考えなくていいかも。
■ふつう
・AVG AntiVirus FREE 2015.0 [日本語]
展開:66.5秒
圧縮:98.4秒
計164.9秒
avastと並んでXP世代ではフリー最古参の部類。
当初はチェコに本社があり、社名もグリソフトという名だった。
現在は製品名にあわせて社名もAVGと名乗っている。
挙動は一見アイドル中もわさわさとプロセスがうるさい。
何してるのかなと思ったらポップアップ通知出すために
コソコソ動いてましたみたいな。
特段速くもないので、せめてこういう無駄な動作は
省いていただきたいのだけど。
ポップアップはおいといて、リンク先・検索結果の安全性を
検証してくれる機能があるので海外のポルノサイトめぐりが
好きな諸兄ならびに、元気よく野良スマホアプリ探しに精を出す
小中学生のお子様をお持ちの親御さん方にはよろしいかと。
難点を挙げると、アップデートかかると再起動を促すポップアップが
表示されることしばしば。こんなの久しぶり。
2000年代初頭のアンチウイルスなんかアップデートのたんびに再起動
してくださいって出てたけども、今もう2015年だから、その、ちょっと。
・Bitdefender Antivirus Free Edition 1.0 [英語]
展開:70.8秒
圧縮:95.3秒
計166.1秒
Aviraと並んで検出力に定評のあるアンチウイルス。
日本語には非対応。
継続利用にはfacebookアカウントと連携するなどして登録が必要。
・avast! FREE ANTIVIRUS 2015.10 [日本語]
展開:71.4秒
圧縮:96.9秒
計168.3秒
(ファイルシールドとウェブシールドのみインストール)
決して速い部類ではないも、古くから日本語対応のため
人気のあるアンチウイルス。こちらも要登録。
最近はVB100での結果が芳しくなく、WindowsDefenderや
K7(ソースネクストのウイルスセキュリティ)と同程度の結果に。
■重め
・FortiClient 5.2 [日本語]
展開:63.6秒
圧縮:127.5秒
計191.1秒
フリーで唯一実用的なサイト閲覧制限機能搭載。
アダルト禁止な小中学生のお子さんがいるお宅向け。
(もっとも、スマホが普及した昨今じゃPCのペアレンタルコントロール
なんてすでにもう要る要らないとかいう話じゃないかもしれんが)
ただ積極的に選ぶ理由はそこしかないのだけど。
比較的メジャーじゃないけど検出力も悪くない。
バージョン5の初物は散々な出来だったけどだいぶこなれてきた感。
・Windows Defender 4.6 [日本語]
展開:112.3秒
圧縮:90.3秒
計202.6秒
展開が突出して遅い。
特に実行ファイルの取り扱いが非常に下手で、展開中目に見えて
.EXEファイルのチェックでひっかかってることがわかる。
検出力もよくないのでさっさと何かまともなやつをインストールして
こいつは楽にしてあげたほうがお互いのため。
・Ad-Aware Free Antivirus+ 11.5 [日本語]
展開:70秒
圧縮:135.4秒
計205.4秒
古くからアドウェア・スパイウェアの検出・駆除に定評。
ややヘンテコながら一応日本語対応。
万人向けというよりは玄人好みといった趣。
インストールサイズも動作も重量級。
ウイルス検知エンジンにBitDefenderを搭載。
・COMODO Antivirus 8.1 [英語]
展開:61.3秒
圧縮:158.8秒
計220.1秒
sandbox機能はOFFにした、antivirusのみ有効の状態でこれ。
COMODOはもうパフォーマンス改善について諦めているようにしか
見えない。