2018年4月1日日曜日

EFマウント USMモデルまとめ

中古選びの俺メモ。ノロノロモーターには興味ない。
貧乏人に縁のない白とか赤とか緑とか、あと広角は載せない。

(非球面レンズについてメモ)
球面レンズはレンズ外周部で収差を発生させるため、
その原因となる外周部を工夫することにより開放側の
収差を抑え込む働きをする。
よってレンズ全体を使う広角や絞り開放での画質の
向上に寄与するがレンズ中心部のみを通る光しか
使わない望遠側、絞った状態では結局レンズ中心部の
精度と設計に画質は左右される。

また上記のことから、便利ズームはともかく望遠
レンズでは特段採用する理由はない。
望遠では歪曲が比較的めだちにくいかわりに色収差が
目立つようになるため、屈折率の高い波長の短い青色の
光についてだけなりを抑えることにより収差をおさえようと
古いモデルでは蛍石レンズを、最近ではEDレンズだの
UDレンズだのといった異常分散レンズをあてがう。


【標準ズームレンズ】

■1990 35-135mm

EF35-135mm F4-5.6 USM 1990年3月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef287.html
標準ズームUSMレンズの最古参。
テレ端からすると標準ズームというより中望遠の域。
モノは古いが一応非球面レンズ採用。
時代は28mmスタートを志向するようになり二代目の
登場はなかった。


■1991~ 28mm-80mm

EF28-80mm F3.5-5.6 USM(初代) 1991年10月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef303.html
90年代の定番標準ズーム28-80mmシリーズのはじまり。
前玉寄りにレプリカ非球面レンズ搭載。

EF28-80mm F3.5-5.6 II USM 1993年10月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef321.html
後玉にプラ非球面レンズを追加配置。最短距離が10cm縮まった。
個人的には触れる可能性のある場所にプラレンズは
配置してほしくないなとは思う。
いや触らんけども気持ちの問題として。

EF28-80mm F3.5-5.6 III USM 1995年8月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef321.html
光学系はII型に同じ。

EF28-80mm F3.5-5.6 IV USM 1996年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef339.html
光学系の見直し(9枚→10枚)を実施。なぜか構成図がない。

EF28-80mm F3.5-5.6 V USM 1999年4月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef348.html
構成図復活。非球面レンズの明記がない。
以上のことからIV・V型は非球面レンズあるかどうか個人的に
疑っている。
無いならないで絞りゃいいだけなんだけどさ。
1999年の本モデルをもってシリーズ終息。
翌年登場の後継モデル28-90mmにバトンタッチ。


■1992 35-80mm

EF35-80mm F4-5.6 USM 1992年4月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef308.html
ワイ端35ミリがあってテレ端80ミリがあるなら
じゃあ今度は35-80mmがあったっていいよね
・・・と思ったかどうかは知らないが順当にに登場。
無理をしない設計になったおかげかレンズも諭吉も
少ない枚数でリリース。
需要は別として、どんくらいのものをナンボで出すかという
コスト感を踏まえたリリースの仕方は嫌いじゃない。


■1992 35-105mm

EF35-105mm F4.5-5.6 USM 1992年6月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef309.html
EF28-105mm F3.5-4.5 USM登場前夜のもの。
非球面レンズはプラではなくガラス。
おや豪勢だねと言いたいところだがW端35mmの時点で
F4.5というのはコンパクトにした結果非球面レンズを
使ってもここが限界という白状のようにも思える。
マイクロUSMで距離計もない、マニュアルリングもない、
W端も狭い、暗い、などなど軽さ以外に売れる要素が全く
ないことからよほど売れなかった様子。
ジャンクコーナーでごろごろ出てくる80-200mmUSMと同世代
ながらこちらは中古流通がほぼなくかなりレア度高い。
だからといって欲しくはならないが。


■1992~ 28-105mm ★DLO対応

EF28-105mm F3.5-4.5 USM(初代) 1992年11月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef314.html
他のモデルと異なり非球面レンズの採用がないが
T端明るくリングUSM&DLO対応という理由でそこそこ人気。
「開放明るいから絞る余地あるよね、じゃ絞って使ってよね」
といった感じだろうか。
28-80mmがフィルム時代のバリューラインとするならば
こっちはちょい上といったところ。

EF28-105mm F3.5-4.5 II USM 2000年10月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef362.html
8年の時を経てマイナーチェンジ。
絞り羽根が7枚に増えた点以外は概ねそのまま。
中古相場は樋口さん出動レベル。


■1996 24-85mm ★DLO対応

EF24-85mm F3.5-4.5 USM 1996年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef337.html
レプリカ非球面レンズ採用。DLOにも対応。
標準レンズで最も広角寄りのW端のため20年以上前のモデルにも
かかわらずこちらも中古相場は樋口さん級の人気。
ただ28mmで一、二歩下がればいいと思うよ。個人的には。


■1998 28-135mm ★DLO対応

EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM 1998年2月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef342.html
初のISつきレンズ。
現在はEF24-105mm F3.5-5.6 IS STMがあるが、フルサイズで
安レンズのみなさんがISつき純正標準を所望するとここにいくしかない。
こちらも一代限りだが長命でちゃんと売れたので中古はそれなりにある。
DLO対応ということもあってか中古でもそこそこのお値段。
ただまあ素直に新品のサードパーティ買うほうが幸せではある。


■2000~ 28-90mm/28-105mm ★DLO対応(DPP4から)

EF28-90mm F4-5.6 USM(初代) 2000年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef359.html
28-80mmの後継として登場。非球面レンズ採用と明記。
絞り羽根は引き続き5枚と寂しいスペック。
ただし望遠端はコンデジ5倍ズーム相当になるため
一度味をしめるともう55mmに戻ってこれない。

EF28-90mm F4-5.6 II USM 2002年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef370.html
光学系はそのまま。外観をシルバーにした程度。

EF28-105mm F4-5.6 USM 2002年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef369.html
二代目28-90mmと同時リリース。
テレ端を少し伸ばしつつ円形絞りを採用して差別化。
どっこい最短撮影距離も延びたせいで最大撮影倍率で
分が悪く花マクロ信者に受けがよろしくない。
さらにボディをコンパクトにおさめようとやや無理が
たたったのか(28-90mmとほぼ同じサイズ)MTFは28-90mmに
比べ残念なグラフを描く。
28-90mmは三代目が2004年に登場したがこいつは一代限りで
消えてしまった。よほど売れなかったのだろう。
そのため中古品の流通はレアである一方で一応21世紀の
代物であるため比較的状態よく手に入れることが可能。
お金使いたい病のマニアは買って眺めてニヤニヤするのも
テだがそうでない人間にゃ買う理由はない。

EF28-90mm F4-5.6 III 2004年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef382.html
デジタル世代のキットレンズEF-S18-55mmと同時リリース。
型番にUSMがついていない上ULTRASONICのリングも
描かれてないがちゃんとできる子。
EFマウント標準ズームの最終地点。
明確な記載はないが世代的にデジタル世代のノウハウは
そこそこ反映されていると思われる。
ちなみに上記カメラミュージアムに記載されている
構成図はEF-S18-55mm F3.5-5.6 USMのものが誤って掲載
されており中の人も混乱していることが伝わってくる。
まあ初代・II型を見りゃいいだけだけど。


【望遠ズームレンズ】

■1990 70-210mm/100-300mm ★DLO対応(100-300mm)

EF70-210mm F3.5-4.5 USM 1990年6月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef291.html

EF100-300mm F4.5-5.6 USM 1990年6月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef290.html

これら二本が同時リリース。
無理せず開放絞りを抑えた70-210mmと無理してでも300mmを
達成したかった100-300mm。
70-210のほうが無理ないためか中古価格は高めだが
どういうわけだかこっちはDLO非対応。

100-300mmは画質について賛否分かれる一本。
ちなみに2008年までラインナップされた長命モデルであるせいか
シリアルナンバーの末尾がA・C・E・G・Hの5種存在する。
比較的きれいな個体で末尾G・Hをみかけるのでもしかすると
リビジョンチェンジで改善を図っていた可能性がある。
見分け方としては、立てたときAF切り替えスイッチの左側に
ULTRASONICのマークがくるものが旧く(~C、Eの一部)、Canon
ロゴがあるものが比較的新しい(E~)ものと推測される。
流通量や分解レポートなどから、おそらくこの旧いほうは
壊れやすいがため中古であまり出回ってないのではと勘ぐっている。


■1992~ 75-300mm ★DLO対応

EF75-300mm F4-5.6 USM(初代) 1992年6月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef310.html

EF75-300mm F4-5.6 II USM 1995年3月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef326.html

EF75-300mm F4-5.6 IS USM 1995年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef330.html

EF75-300mm F4-5.6 III USM 1999年4月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef350.html

USMと銘打っているが全長が長い分フォーカス繰り出し量も
大きく、AF速度はお世辞にも速いと言えない。
USMなしより明確に速いという感じは全くしない。
最短撮影距離を3mにしてたらきっとだいぶましだったろう。
(参考動画)



■1992~ 80-200mm

EF80-200mm F4.5-5.6 USM
 1992年6月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef311.html
75-300mmと同時リリース。
二代目はなかったがけっこう売れたらしくUSMなし含め
中古でよくお目にかかる。
画質はお世辞にも褒められたものではないが全長8cm弱と
コンパクトかつ軽量というスペックはそれもまたある種
機能美といっていいと思う。
これは副次的な効果を生み出し、EF75-300に比べ4cmも
短いサイズ、最早標準ズームサイズにまで収まったことにより
マイクロUSMながら比較的素早いAFを実現。
ただ現時点では画質とのバランスを考えるとコンパクトさで
次点の55-200をチョイスするほうが幸せになれると思う。


■1998~ 55-200mm ★DLO対応(DPP4から)

EF55-200mm F4.5-5.6 USM(初代) 1998年3月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef343.html
デジタルではないがAPS(もちろんフィルムのほう)サイズに
力点を置いた設計で登場。
この時点でのちのちKissデジタルのキットになることがすでに
運命づけられていたといえる。
どういうわけか中古で見たことが全くない。

EF55-200mm F4.5-5.6 II USM 2003年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef375.html
光学系は初代と同じであるも、デジタルを見据えて
コーティングとAFを改良。
初期のキットレンズということもあり中古の玉数も豊富。
どういうわけかこれを使ってる人を見たことが全くない。


■2000 28-200mm ★DLO対応

EF28-200mm F3.5-5.6 USM 2000年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef361.html
純正の便利ズーム。フィルム世代末期。
ISはついちゃいないがDLO対応。
非球面レンズを2枚使用しているが便利ズームだけあって
ワイ端の歪曲収差は大きめ。というか全域で大きめで
DLO対応してなかったらちょっと遠慮したい感じではある。
とまあ便利以外にセールスポイントがない一方で玉数も少なく
需給関係上無駄に高いがあえて狙うものでもない。


■2002 EF90-300mm ★DLO対応(DPP4から)

EF90-300mm F4.5-5.6 USM 2002年9月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef371.html
フィルム時代末期の最後っ屁。
円形絞り以外セールスポイントはなく二代目の登場は
ないまま終息。


■2005 70-300mm ★DLO対応

EF70-300mm F4-5.6 IS USM(初代) 2005年10月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef388.html
75-300mm、EF90-300mmの実質的な後継。
ようやくここでUDレンズ採用モデルが登場。
しかし惜しいかな結局マイクロUSMである以上速度が出ない。
APS-Cならおとなしく55-250STM買ったほうが無難。

EF70-300mm F4-5.6 IS II USM 2016年12月
http://global.canon/ja/c-museum/product/ef459.html
サブプライムローン問題とリーマンショック、脱却
できないデフレという11年の時を経て二代目登場。
ナノUSMを引っ提げてきたが貧乏人にゃ縁のない話。